Salesforce AppExchange で近日公開

Salesforce の VPAT: 管理者が知っておくべきこと

官公庁、教育機関、医療機関で働いていれば、導入したばかりの AppExchange コンポーネントの VPAT をいずれ求められます。この文書が何なのか、どこを見ればよいのかを解説します。

公開日 2026 年 8 月 12 日 · 更新日 2026 年 10 月 26 日 · MultiDatePick

VPAT (Voluntary Product Accessibility Template) は、ベンダーが自社製品がアクセシビリティ基準をどの程度満たしているかを、基準ごとに記載する標準的な文書です。認証ではなく、誰かが発行してくれるものでもありません。構造化された自己評価であり、その価値はどれだけ正直に記入されたかで決まります。

Salesforce の調達で VPAT が求められる理由

Salesforce 自身も自社製品の VPAT を公開しています。米国の公共部門は Section 508、欧州は EN 301 549 に従う必要があり、どちらの基準も WCAG を土台にしています。組織がこうした規則の対象であれば、スケジュール管理の課題を解決するために誰かが導入した AppExchange パッケージも含めて、使用するすべてのソフトウェアにその義務が及びます。

実際には、コンポーネントがすでに業務プロセスに組み込まれた後、セキュリティレビューや調達審査の段階で遅れて問題になることがほとんどです。

VPAT が対象とする 3 つの基準

基準 対象となる組織 内容
WCAG 2.1 A および AA ほぼすべての組織 (基本となる基準) 他の 2 つの基準の土台となる Web コンテンツの達成基準
改正 Section 508 米国連邦政府、および多くの州・地方自治体 Section 508 の義務を WCAG に沿って規定したもの
EN 301 549 欧州の公共部門 EU の調達における同等の基準

専門家でなくても読める VPAT の見方

各達成基準には、いくつかの適合レベルのいずれかが付けられます。この表現が重要です。

  • Supports (サポート) は、その基準を全体で満たしていることを意味します。
  • Partially Supports (部分的にサポート) は、ほとんどの場合は満たしているものの、すべてではないことを意味します。注目すべきはここです。
  • Does Not Support (サポートしない) は、満たしていないことを意味します。
  • Not Applicable (該当なし) は、その基準がこの製品には当てはまらないことを意味します。

正直な Partially Supports がいくつかある VPAT より、すべてに Supports と書かれた VPAT のほうを疑ってください。実際のソフトウェアには必ずエッジケースがあります。部分的なサポートが 1 つもない文書は、たいてい誰も実際にテストしていないということです。

ベンダーに確認すべき 4 つの質問

  1. 最後に検証したのはいつで、どのバージョンが対象か? 2 年前、6 リリース前に書かれた VPAT は、もう存在しないソフトウェアについて書かれています。
  2. パッケージ化されたバージョンでテストしたか? パッケージ化前のソースと管理パッケージのインストールでは、動作が異なる場合があります。重要なのは、実際にインストールするほうです。
  3. 自動スキャン、手動レビュー、またはその両方か? 自動ツールで見つかる問題は全体のおよそ 3 分の 1 です。キーボード操作やスクリーンリーダーでの読み上げの流れは、人の目で確認する必要があります。
  4. 色だけで情報を伝えている箇所はないか? スケジュール管理の画面で最もよくある不備で、状況を色付きのセルだけで示し、それ以外の手がかりがないケースです。

カレンダーは特に正しく作るのが難しい

カレンダーは操作可能なセルが並ぶグリッドなので、アクセシブルにするのが最も難しいパターンの 1 つです。正しく作るには、本物の ARIA グリッドのセマンティクス (role="grid"、行、グリッドセル、列見出し)、すべてのセルを Tab で移動するのではなく矢印キーでグリッド内を移動する操作、日付とその状態の両方を含む各セルのアクセシブルな名前、そして色に加えて形やテキストでも状況を伝えることが必要です。

最後の点は、管理者が設定できる製品に直接影響します。管理者が状況の色を自由に選べるなら、コントラストは保証できません。まさにこうした点こそ、黙って Supports と主張するのではなく、Partially Supports として記載されるべきものです。

MultiDatePick は、WCAG 2.1 A および AA、改正 Section 508、EN 301 549 を対象とした VPAT 2.5 適合性レポートを公開しています。最終検証日は 2026 年 10 月 26 日で、管理パッケージ 0.12.0-4 と次期 0.13.0 を対象としています。axe-core では、3 つのコンポーネントと 5 つのカレンダー表示 (カレンダー、タイムライン、週、稼働率、予定一覧) のすべてで違反はゼロです。また、選択できないカレンダーの日は、グレー表示されるだけでなく、選択不可として読み上げられます。コントラストは、上で述べたとおり管理者が状況の色を選ぶため、Partially Supports としています。リフローも、幅の広いグリッドが狭い画面では横スクロールになるため、Partially Supports としています。